
ピルとはどんなもの?
正しい服用で、高い避妊効果
ピルとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つのホルモンが配合された経口避妊薬。これを服用するとからだの中のホルモン量が増えるため、脳が必要なホルモンを排出したと勘違いして、卵巣にホルモン分泌の指令を出さなくなります。すると卵胞が成熟せず、排卵も起きなくなります。さらにプロゲステロンのはたらきで妊娠しにくくし、受精卵を着床しにくくします。このような作用から、ピルを正しく服用すれば、避妊効果はほぼ100%と言われています。
ホルモンの含有量で3つの種類が
エストロゲンの含有量により、低用量、中用量、高用量のピルがあります。少ないホルモン量で副作用が少ない低用量ピルは、避妊薬として、現在、世界中で広く使われており、日本でも99年に解禁されました。中・高用量タイプは、避妊目的で使うには副作用が強すぎるので、ほとんど使われておらず、最近では、不妊治療や生理日の調整などに用いられます。
なお、錠剤全部が、一定のホルモン量を配合している一相性の他、ホルモン量を2段階に調整している二相性、3段階に調整している三相性に分けられます。二相性、三相性ピルは、からだのリズムに合わせてホルモン量が調整できますが、飲み方がやや複雑になります。
いずれにしても、服用の際には医師と相談し、自分に合ったものを選びましょう。
購入には処方箋が必要
ピルの購入には、医師の処方箋が必要になります。避妊目的で服用する場合、婦人科や内科を受診して処方してもらいます。ピルは健康保険が適用されないため、自己負担となります。たとえば低用量ピルの場合の費用は、1ヵ月分で3000円前後が目安です。さらに、診察・検査費用が別途必要となります。
副作用と避妊以外の効果
気になる副作用
吐き気、嘔吐、頭痛、乳房の張りや痛み、おりものの増加、不正出血などが副作用として現れることがあります。しかし、多くの人は飲み続けるうちに、自然に消えます。
また、血栓症のリスクを高めたり、わずかながら乳がん、子宮頸がんの発症を高めるともいわれています。
月経不順や月経痛に悩んでいる人に
ピルを服用することで、月経の周期を規則正しくコントロールできます。さらに、月経痛が和いだり、量を減らす効果もあります。このようなことから、月経不順、月経困難症やPMS(月経前緊張症)の解消、そして子宮内膜症、卵巣がん、更年期障害の予防・改善といった効用があり、避妊以外の目的でピルを服用する人もいます。
服用してはいけない人
- 血栓症のリスクが高い人
- 35歳以上でタバコを吸っている人
- 乳がん、子宮がんの人
- 肝臓、腎臓、心臓の病気がある人
- コレステロール値や中性脂肪値が高い人
- 血糖値の高い人など
低用量ピルの服用方法
21日間服用ピル、28日間服用ピルがある
3週間飲んで1週間服用を休む「21日間服用ピル」と、ずっと飲み続ける「28日間服用ピル」があります。28日間のものは、21日分がホルモンの入った錠剤で、後の7日分がホルモンの入っていないプラセボ(偽薬)となっています。
どちらも月経のはじまった日から飲みはじめるのが基本ですが、週末に生理日が重なりたくないという人には、月経がはじまって最初の日曜日からはじめる、「サンデースタート」という飲み方もあります。
飲み忘れたときには
もし、ピルを飲み忘れてしまった場合は、服用定時刻より12時間以内なら、その時点で忘れた分を飲んで、さらに、通常の服用予定分も飲むと、避妊効果は持続します。普段よりも短い間隔で服用することになりますが、副作用の心配はほとんどありません。12時間以上24時間以内も、こうした対処をして構いませんが、避妊効果が下がる可能性があるので、他の避妊法と併用する必要があります。
また、24時間以上経過した場合は、避妊効果は期待できません。その時点でピルの服用を打ち切り、また、次の月経開始から新たにスタートする必要があります。
緊急用のピル
アフターモーニングピル
緊急避難用の避妊法として「アフターモーニングピル」があります。これは、コンドームが破れて避妊に失敗してしまったとか、レイプされたといったときのためのもので、セックスの後、72時間以内にホルモン剤を飲んで受精卵の着床を防ぎます。低用量ピルとは違い、強い薬なので、約半数の人に吐き気や頭痛などの副作用が起こり、もしも服用後2時間以内に吐いたときは、再度服用が必要となります。成功率は75%以上と言われていますが、子宮外妊娠の場合、効果はありません。
アフターモーニングピルは、あくまで緊急用として覚えておくと良いでしょう。もちろん、使用したいときには医師の処方を受けることが必要です。
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